古河歴史博物館の館長さんをお招きして、3年生を対象に出前授業が行われました。
館長さんが持っている茶色の箱。
「これは何でしょう?」
館長さんの問いかけに首をかしげる子ども達。
「分からない時は一つずつ調べていきましょう。まずは・・よく見て描いてみよう。」
正面から、横から、真上から、裏側。
あらゆる角度からよく観察して描いてみます。
よく観察していくと上部にすりガラスの窓があったり、正面左にロ-ラ-のような物がついていたり、取っ手のような輪っかを発見することができました。
次に触ってみます。
金属製の網のようなものがあり、触るとザザザッと音がします。
「観察して、描いて、触って、音を聞く。」
子ども達は、探偵気分で箱の正体を探っていきます。
残念ながらまだ箱の正体は分かりません。
「次は、仕組みを探っていきましょう!」
子ども達は、館長さんと一緒に箱を詳しく調べていきます。
引き戸の向こう側に歯車のような物があります。
ロ-ラ-の部分が動くようです。
更に調査は続きます。
「文字を見つけてみましょう。」
「大正8年6月20日購入 代金4円8銭」という文字があります。
ラベルには、「尾張時計株式会社 ハイトリック」の文字。
「時計だ!」
「えんぴつ削り?」
ラベルの文字や内部の歯車を見た子ども達から、声があがりはじめました。
この箱の正体は、「ハエ取り機」です。
ロ-ラ-部分に砂糖水を付け、ハエをおびき寄せます。
砂糖水に夢中になっているハエは、ロ-ラ-を回して箱の内部へ閉じ込めます。
ハエは箱の上部にあるガラス窓の部屋へ迷い込み、出られなくなる仕組みです。
「観察して触って、聞いて、調べて、文字を探す」
見当もつかなかった箱の正体が、これらのステップを経て判明しました。
他にも昔の道具を見せてもらいました。
さて・・先のハエ取り機。
ハエがたくさん捕れたのか・・・?
この機械のハエ捕り機能が優れていたならば、現代でも残っているはずです。
今の時代にない・・ということは、あまりハエが捕れなかったのでしょう。
そして・・昔からあるハエたたき。
きっと未来でも使われるのでしょう。
子ども達は、自分達で探って答えを見つける!という楽しく貴重な体験をすることができました。